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１９９８年７月２４日
新聞やテレビは、ダービマッチ大いに盛り上がるとか、接戦だったと
か、報道するかと思う。だが、私は、すなおに喜ぶ事が出来ない。
単純に試合を楽しむ姿勢で見れば、面白かったのかもしれない。でも、
私はなにかすっきりしない。
もともと、勝っても、嬉しいというか、単純に喜べる相手ではなかった。
向こうのコーチは鈴木淳さんだし、阿部健二選手と明間正義選手がでてい
るしで、彼らは、かつて、緑のユニフォームを着て、利府のサッカー場や
宮城野原の陸上競技場で試合に出ていた。１シーズンに仙台で２試合しか
勝てず、苦しい戦いを続けている中、必死で応援した事のある選手達だっ
た。それを、今日は対戦相手として見なければならないのは、複雑な気持
ちがあった。
そんなかつての選手のいるチームと対戦するなら、完璧に勝つしか満
足は出来なかっただろう。そうでなければ、過去にプレーした選手がチ
ームを去らねばならなかった理由の説明が付かないからだ。チームを強く
するためにいろいろと苦しい選択をしてきたはずなのに、その目的が何に
も達成されていない事が明確に示されてしまった。これで、いいのか？
支配しているのに点がとれず、延長までいってしまった。ナビスコカ
ップや対山形戦でチラリと見せた、今後へ期待感は、新潟戦と同様に崩
壊したままだ。
先発に根子選手と平選手を出した意図がなんだったのか知りたい。
今、一番、調子のよい選手だったから出したというなら、それは、監督
の判断なので何も申し上げる事はない。相手を甘くみて、かつての同じ
チームの選手同志を戦わせようと考えて出したのなら、かえって、相手
に失礼な話だと思う。
平選手は残念ながら、相手ゴール前での競り合いで負傷し、タンカで
退場してしまった。怪我が多く、不運な選手だと思う。
根子選手は、松永のいた対鳥栖戦で活躍したりして、期待していた選
手だった。その足の速さを活かした攻撃のスタイルは、今や、瀬川に、
その座を奪われ、左サイドバックとしての出場だった。失点の場面。左サ
イドのスペースにフリーでいた相手選手にパスが渡り、根子選手がプレ
スする間もなく、センタリングを入れられた。その数分前から、越後キ
ャプテンがなにやらサイドの方を指さして変えろみたいな事をベンチに
言っていた。正確にはわからんが、そんな気がした。点を取られた後も、
そんな仕草が見られた。まさか、自分は動けないので変えてくれという
話ではなかったろう。期待していた選手なだけに、結果が出ないのは、
大変、残念だった。
試合は、最初、ソニーが中盤でよくプレスしていた。いわゆる囲い込
みである。石川の好セーブで失点を免れるシーンがあった。その後、ブ
ランメルが支配し出したが、点が取れない。ソニーの両サイドバックが
高いパスへの守備で「かぶる」場面が多いし、阿部も平もヘディングで
はソニーのＤＦに負けてはいなかった。最初の得点も相手がクリヤー出
来ないところで、阿部が落ちついてトラップしてシュートした。
後半になると、前半にくらべ中盤が広がりだした。ブランメルの巳年
選手にはちょうどよい距離だったようで、面白いように１対１でボール
が取れていた。しかし、失点。阿部が予備審判か副審に何か言ったのか、
警告。いきなり、動かなくなる。怒っている。点を取るために力を蓄え
ているのかも知れないが、パスがそれると、後は、しらんぷり。少しは
追いかければ、そこで、ボールが取れてチャンスになるかもしれないし、
相手の攻撃を遅らせる事ができるが、何もしない。攻撃のみ。
しかしながら、一人で２０メートル位のシュート（Ｖゴールとなる）
で点を取ってしまうのだから、世の中、要領のよい奴が結果を残すのか
なという気がしたりした。
ソニー仙台だが、やはり、フィジカルの強化が課題だと思う。後半に
同点になる前は、動きが消えていたし、高さの競り合いは強くない。
攻撃は手間をかけず、シンプルに狙う。結構、面白い。精度があれば
ブランメルは負けていたはず。同点から後と延長戦には、ブランメル仙
台も、もはやこれまでかと思わせるシーンが続いていた。
延長戦をすべて引き分けにして勝ち点を計算すると、ブランメル仙台
はソニー仙台の下に位置する事になっているらしい。ソニーは延長戦Ｖ
ゴール負けが多いと言う事なのだろう。繰り返しになるが、体力強化が
課題なのだろう。
渡辺が走り負けしている。新潟戦と同様にスピードが乗った相手のド
リブルに振り切られ気味。これは、ちょっと、心配。
「育成」と言ってはいるが、阿部が元から持っている「技」で点を取
っているに過ぎない訳で、「育成」の結果が見えてこない。このチーム
は本当に大丈夫なんだろうかという心配が消えない。
アウェー側の応援は、いまだかつて無い程、多かった。やはり、地元 なんだと思う。スタジアムにお客さんが沢山はいったけど、ブランメル の応援に集中する人の割合はすくなかったのかもしれない。応援の声が ざわついた雑音に消されていた気がする。だが、９月２４日には、アウ ェー側応援は、最大記録となるはずだ。
次の、ダービーマッチは、上位争いで激突したいものだ。